CAD/CAMソフト大全 CAD/CAM-Z
CAD/CAMソフト大全 CAD/CAM-Z » CAD/CAMとは?|CAD/CAMソフトに関する基礎知識 » CAD/CAM環境におけるセキュリティ対策

CAD/CAM環境におけるセキュリティ対策

目次目次を閉じる
目次

製造業の設計から加工までを担うCAD/CAMですが、機密情報である図面や加工データを扱うため、セキュリティ対策が欠かせません。本記事では、CAD/CAMに潜むリスクや具体的な防衛策について解説します。

CAD/CAM運用に潜む主なセキュリティリスク

機密性の高い設計・加工データの漏えい

CAD/CAMシステムには、企業の競争力に直結する重要な設計図面や加工プログラムといったデータが蓄積されています。これらの情報が外部に漏えいした場合、競合他社への技術流出を招き、企業の根幹を揺るがす事態に発展する恐れがあります。昨今ではサイバー攻撃による被害だけでなく、退職者による意図的な持ち出しや、従業員の不注意による記憶媒体の紛失など、内部からの情報漏えいも少なくありません。自社の技術資産を守るためには、外部からの脅威と内部での取り扱いの両面に目を向ける必要があるでしょう。

ランサムウェアなどのサイバー攻撃によるデータ破損

製造業を標的としたサイバー攻撃の中でも、特に警戒すべきなのがランサムウェアによる被害です。これは社内のシステムやデータを暗号化し、復元の対価として金銭を要求する悪質なプログラムとして知られています。もしCAD/CAMサーバーが感染してしまうと、過去の設計データや進行中の加工データが一切開けなくなり、生産ラインが完全に停止してしまう危険性を伴います。身代金を支払ったとしてもデータが戻る保証はなく、復旧までに多大な時間とコストがかかるケースが散見されるのです。

不正アクセスや誤操作によるシステム停止

システムへの不正アクセスは、データの窃取だけでなく、システムの破壊や改ざんを目的として行われる場合があります。悪意のある第三者にCAD/CAMシステムを乗っ取られると、加工データが書き換えられ、不良品の生産や工作機械の破損につながるリスクが懸念されます。また、外部からの攻撃によるものだけでなく、操作に不慣れな従業員の誤操作によって重要なシステムファイルが削除され、ソフトウェアが立ち上がらなくなる事態も起こり得ます。業務の滞りを防ぐためにも、意図しないトラブルを想定した備えが求められるでしょう。

CAD/CAMのセキュリティを強化する具体的な対策

適切なアクセス権限の付与と多要素認証の導入

誰でもすべてのデータにアクセスできる状態は、情報漏えいや誤操作のリスクを高めてしまいます。そのため、担当者の役職や業務内容に応じて、ファイルの閲覧、編集、削除といった権限を細かく設定することが重要です。さらに、システムへログインする際のセキュリティを高める手段として、多要素認証の導入が効果的だと言えます。パスワード入力に加えて、スマートフォンへのワンタイムパスワード送信や生体認証などを組み合わせることで、万が一パスワードが流出しても不正ログインを防ぐ確率を高められます。

データの暗号化と確実なバックアップ体制の構築

保存しているCAD/CAMデータや、ネットワーク上をやり取りされる通信データを暗号化しておくことは、情報流出時の被害を最小限に抑えるための有効な手段です。暗号化されていれば、第三者がファイルを盗み出しても中身を解読することは困難になります。あわせて、ランサムウェア被害や機器の故障に備え、定期的なバックアップを取る仕組みづくりも欠かせません。ネットワークから切り離された外付けハードディスクや、安全性の高いクラウドストレージなど、複数の場所にデータを保管しておく体制を整えておくことをおすすめします。

エンドポイント保護やネットワーク監視の実施

CAD/CAMソフトをインストールしているパソコン自体を保護するためには、アンチウイルスソフトやEDRと呼ばれるエンドポイントセキュリティ製品の導入が推奨されます。これらを活用することで、マルウェアの侵入を水際で防ぐだけでなく、万が一不審なプログラムが実行された場合でも、その挙動を素早く検知して被害の拡大を抑える効果が期待できます。さらに、社内ネットワークの通信状況を常時監視し、外部からの不審なアクセスや異常なデータ通信の兆候を早期に発見する仕組みを取り入れることも、強固な防衛網の構築につながるでしょう。

組織全体で取り組むべき安全な運用体制づくり

従業員に対する定期的なセキュリティ教育

どれほど高度なセキュリティシステムを導入しても、それを扱う人間の意識が低ければ、思わぬところからインシデントは発生してしまいます。不審なメールの添付ファイルを開かない、安易なパスワードを設定しない、機密データを許可なく持ち出さないといった、基本的なルールの徹底が何よりも大切です。そのためには、全従業員を対象としたセキュリティ研修を定期的に実施し、最新のサイバー攻撃の手口や情報管理の重要性を継続的に周知していく活動が不可欠だと言えます。

クラウド型CAD/CAM利用時のベンダー確認のポイント

近年では、サーバー管理の手間を省けるクラウド型のCAD/CAMソフトを導入する企業が増加傾向にあります。クラウドサービスを利用する際は、自社の重要なデータを外部に預けることになるため、サービス提供元であるベンダーのセキュリティ対策基準を事前にしっかりと確認しなければなりません。データの保存場所や暗号化の有無、第三者機関によるセキュリティ認証の取得状況、トラブル時のサポート体制などを多角的に評価し、信頼できるサービスを選定することが安定した運用への第一歩となります。

ソフトウェアとOSの継続的なアップデート

CAD/CAMソフトウェアや、パソコンを動かしているOSに脆弱性が発見された場合、そこをサイバー攻撃の入り口として狙われる危険性が高まります。メーカーから提供されるセキュリティパッチや修正プログラムは、こうした弱点を塞ぐための重要な役割を担っているのです。システムのアップデートには時間や手間がかかり、時には他のツールとの互換性確認が必要になることもありますが、後回しにすることは推奨できません。常に最新のバージョンを適用し、安全な状態を維持する運用プロセスを定めておくべきでしょう。

まとめ

CAD/CAMシステムはモノづくりの心臓部であり、そこで扱われるデータは企業にとってかけがえのない財産です。サイバー攻撃の手口が巧妙化する昨今、もはや「うちは狙われないだろう」という考えは通用しなくなりつつあります。情報漏えいやシステムの停止を防ぐためには、適切なアクセス管理やバックアップ体制といった技術的な対策だけでなく、従業員一人ひとりの意識向上を含めた組織全体の取り組みが欠かせません。本記事でご紹介したリスクと防衛策を参考に、自社のCAD/CAM環境におけるセキュリティ体制を今一度見直してみてはいかがでしょうか。

【課題別】
CAD/CAMソフト
おすすめ3選
【課題別】2.5軸・3軸・5軸加工に対応
CAD/CAMソフトおすすめ3選

複雑化する加工ニーズに応えるには、目的や工程に応じたソフト選びが欠かせません。
本特集では、2.5軸〜5軸加工に対応したソフトを「属人化防止」「ロボット連携」「低コスト運用」などの観点からわかりやすく整理。現場の課題にフィットする1本を選ぶための視点を提示します。

5軸・複合加工なら

5軸分野における実績多数
NCシミュレーションも実装

hyperMILL
hyperMILL    
引用元:OPEN MIND公式サイト
https://www.openmind-tech.com/jp/cam/product-overview/
hyperMILLの強み
           
  • 全世界で2万ライセンス以上の導入実績を誇り※1、干渉回避動作を含めた傾斜軸の制御を指定した角度範囲内で自動処理。機械動作シミュレーションもNCコードで実行可能。※2
  • 形状要素の自動認識機能とテンプレート化された加工工程を組み合わせることで、一連の加工パスの自動生成も可能
低コスト運用なら

必要最低限の機能が
月額1万円台から運用できる

Fusion360
Fusion360
引用元:AUTODESK公式サイト
https://www.autodesk.com/jp/products/fusion-360/overview
Fusion360の強み
           
  • 月額12,100円(税込)〜のサブスク制※2で、コストを抑えた導入が可能。クラウド運用のため、サーバーの設置も不要。
  • CAE(解析)や PCB(電子回路)まで追加費用なしで使用できる。
ロボット連携なら
6軸7軸ロボット制御に対応
DX・FAを叶える
SprutCAM X
SprutCAM X
引用元:SprutCAM Tech公式サイト
https://sprutcam.com/ja/
SprutCAM Xの強み
  • 6軸・7軸など複合軸のロボット制御が可能。産業アーム加工に対応。動作範囲・姿勢制限を考慮したツールパス・Gコードを生成できる。
  •        
  • KUKA、FANUC、安川電機、ABBなど幅広いロボットメーカーの製品に対応。

※1.参照元:OPEN MIND公式サイトhttps://www.openmind-tech.com/jp/about-us/
※2.サポート対象加工機に一部制限あり
※3.参照元:AUTODESK公式サイト https://www.autodesk.com/jp/products/fusion-360/overview
(情報は2025年6月6日時点)