CAD/CAMソフトを社内やチームの複数人で利用したいとお考えでしょうか。本記事では、複数人で使うためのライセンス形態や運用上のシステム管理、導入時の注意点をわかりやすく解説します。
CAD/CAMソフトを複数の担当者で利用する場合、特定のパソコンに紐づくノードロックライセンスではなく、ネットワークライセンスを導入するケースが一般的です。これは社内サーバーなどにライセンス管理プログラムを導入し、購入したライセンス数の上限まで同時起動を許可する仕組みとなります。社内LANやVPN経由で接続された端末からアクセスできるため、利用頻度に合わせて効率よくライセンスを割り当てられます。ただし、ライセンスサーバーに障害が発生すると業務が停止してしまうため、冗長化やバックアップの運用ルールもあわせて検討しておくと安心です。
近年増えているのが、クラウド認証によるサブスクリプションライセンスを採用する形式です。これはパソコン本体にソフトをインストールしつつ、インターネット経由でライセンス管理を行う製品が多くを占めています。アカウント情報で認証するため、会社のデスクトップだけでなく自宅や出張先のノートパソコンからも利用しやすい環境を構築できます。契約期間は月額や年額などメーカーによって異なり、初期費用を抑えられる製品もあります。なお、オフライン環境で利用できる期間に制限が設けられている場合もあるため、導入前にインターネット接続要件を確認しておきましょう。
複数人で同一のシステム環境を利用することには、特定の担当者に業務が集中してしまう属人化を防ぐ効果が期待できます。メインの設計者や加工担当者が不在のときでも、他のメンバーが進捗状況を確認しやすくなるからです。加工ノウハウや治具情報、ポストプロセッサの設定などをチーム全体で共有する体制が整うと、特定の個人に対する負荷が分散されます。結果として業務の滞りを減らし、組織全体の作業効率が底上げされることで、納期短縮や品質の安定化に向けた継続的な改善を進めやすくなる傾向があります。
CADで作成した設計データとCAMでの加工工程を複数人で共有できれば、部門間のやり取りが非常にスムーズになります。設計段階での変更があった際、その変更を加工データへ反映しやすくなる体制を構築できるためです。実際に製造へ進めるにはCAM側での再生成やツールパスの検証、シミュレーションといった工程を経る必要がありますが、伝達ミスや古い図面を用いた誤加工のリスクは大きく減らせます。さらに現場から設計者へのフィードバックも行いやすくなり、部署の垣根を越えた連携が深まる要素となります。
複数人で同時に作業を進める際、データの上書きミスや先祖返りといったトラブルが発生しやすくなる点に注意が必要です。これを防ぐためには、単なるファイル共有だけでなく、PDM(製品データ管理)システムやPLMなどを導入してバージョン管理を行う方法が推奨されます。専用の管理システムを利用すれば、誰がいつデータを変更したのか履歴を正確に追跡できるようになり、重複編集によるデータの破損を防げます。ファイル名の付け方や保存ルールのマニュアル化とあわせて、安全にデータを管理できる仕組みを取り入れてみてください。
企業の重要資産である製品図面や加工条件、NCプログラムなどを複数人で扱う以上、情報漏えいを想定したセキュリティ対策が欠かせません。誰でもすべてのデータを編集できる状態にしておくのはリスクを伴うため、担当業務に応じてファイルの閲覧や編集、削除の権限を細かく設定する運用が求められます。また、退職者や異動した社員のアカウントは速やかに停止し、不必要なアクセスを防ぐ体制を整えましょう。日常的なバックアップ体制の確保とあわせて、大切な技術データを守り抜く安全な環境づくりを進めることが大切です。
複数人でCAD/CAMソフトを利用するには、ノードロック方式からネットワークライセンスへの移行や、クラウド認証を活用したサブスクリプションの導入が有効な手段となります。適切に環境を整えれば、業務の属人化を解消し、設計部門と製造部門の連携を強化して生産性を向上させることが可能です。一方で、PDMシステムを活用したデータのバージョン管理や、厳格なセキュリティ対策といった運用上のルール作りも同時に進めなければなりません。自社のネットワーク環境や働き方に適した運用方法を見つけて、業務の効率化を図っていきましょう。
複雑化する加工ニーズに応えるには、目的や工程に応じたソフト選びが欠かせません。
本特集では、2.5軸〜5軸加工に対応したソフトを「属人化防止」「ロボット連携」「低コスト運用」などの観点からわかりやすく整理。現場の課題にフィットする1本を選ぶための視点を提示します。
5軸分野における実績多数
NCシミュレーションも実装
必要最低限の機能が
月額1万円台から運用できる
※1.参照元:OPEN MIND公式サイトhttps://www.openmind-tech.com/jp/about-us/
※2.サポート対象加工機に一部制限あり
※3.参照元:AUTODESK公式サイト
https://www.autodesk.com/jp/products/fusion-360/overview
(情報は2025年6月6日時点)